担保である不動産を裁判所が強制的に売却することである。
その時の価格(最低売却価格)は一般市場価格の5~6割程度。 落札は7~8割程度が一般的になっている。
競売の流れ
・あなた(債務者)の住宅ローン返済が遅れる。
・引き続きローン返済が遅れる(滞納)。催告書が届く。
・3ヶ月程滞納すると、督促状が届く。ブラックリストに載る。
・金融機関からの呼び出し
金融機関からの提案に応じられるか(リスケジュールor任意売却)。
・延滞6ヶ月程で事故となる。
・「期限の利益の喪失」
金融機関からの最終通告。
・「代位弁済」
債権(金融機関の権利)が保証会社に移転する。
保証会社から一括返済を求められる(勿論そんなの無理)。
・競売申し立て
債権者である保証会社が裁判所に申請。
・執行官の調査訪問
あなたの不動産を査定、写真撮影する。
・競売入札の通知
いよいよ任意売却のリミットもわずか!急がないと競売に!
・競売入札
事実上、任意売却は不可能になる。
・開札、落札、売却許可決定
買い手が決まる。
・引渡し(強制退去)
買い手から退去を求められます。
裁判所から引渡し命令が出るため、あなたの都合で待ってくれません。
競売の取り下げ
競売の取り下げを行うには、債権者と任意売却の話し合いをし、順調に売却し、債権者が認める債務処理ができる時に初めて、債権者が裁判所に競売の取り下げを申請できます。
取り下げできる期限は、競売入札→開札→売却許可決定→売却代金が買い手より納付されるまで、です。
とにかく、競売入札が実施されるまでにできるだけ早く任意売却を進めることが重要です。ちなみに、任意売却は裁判所は無関係です。
競売のメリット・デメリット
メリット
■ 競売では入札後即座に買い手が決まるので、債権者にとっては金額が低くても確実に回収できる。
■ 任意売却よりも長く住んでいることができる。
デメリット
■ 一般相場より2割程低い価格で売却されやすい。もちろん債務は多く残る。
■ 残債について自分自身で交渉しないといけない。支払いペースも相談には応じてもらいにくく、給料差押えもありうる。
■ 自己破産するケースが多い。(自己破産のデメリットは「債務整理」をご覧ください)
■ 落札者(買い手)に即退去を迫られる。速やかに退去しないと不法占拠者となる。
■ 競売にかけられると新聞、インターネット、チラシなどで広く知れ渡る。
たくさんの競売業者が訪問し隣宅などへ聴き取りしてきたりする。
とても普通の生活などできず、多くの債務者は空き家にしたり夜逃げしたりする。
■ 立ち退き料や引越し代などは出ない。一文無しで出でいかないといけない。
■ 一度の競売で落札されないと、競売価格を下げながら落札するまで競売は続行される。よって、残債はどんどん増えていく。
■ 連帯保証人がいる場合、残債の請求が行く。連帯保証人が支払いできなければ、その人の不動産も競売にかかる。